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産後は髪質や毛量に変化が出る事が多い
女性の産後の髪質
女性の産後は抜け毛が増えるだけではない?
女性が妊娠して出産した後に、抜け毛が一気に増える方がいらっしゃいます。
これは出産を経験された女性すべての方に起こるわけではありませんが、抜け毛が増えると心配でしょう。
出産後に増える抜け毛は半年~1年の間で治まる方がほとんど、それ以上抜け毛が続く方は他に原因がある可能性があるため当クリニックを含め、専門の機関へご相談ください。
女性で出産後に抜け毛が増えることをご存知の方は増えてきておりますが、抜け毛が増えるだけではないのをご存知でしょうか?
抜け毛だけでなく髪質が変わる?
出産後の抜け毛は知られるようになりましたが、出産後に毛質が変わるのをご存知でしょうか?
出産前の髪はサラサラのストレートだったのが、出産のご経験がある方の中には、出産後に髪質が硬くなったような感じ、髪がうまくまとまらない、髪がパサつく、髪がゴワゴワする、などを感じられる方がいらっしゃいます。
出産後の抜け毛につながらなかった方も以前と少し異なった髪質に気づくことがあるかもしれません。
中には、抜け毛だけなく髪質の変化と両方で悩まされている方もいらっしゃいます。
髪質が変わる理由
出産後に髪質が変わるのは、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、栄養の偏り、睡眠不足などさまざな原因が考えられます。
そのため自分一人では原因を知ることが難しいのです。
例えば、出産後にやめていた飲酒や喫煙を急に始めること、ストレスや家にいる時間が長くなり甘いものやお菓子を口にすることが増える、赤ちゃんの夜泣きにより睡眠不足、育児に疲れ自分の食事は手抜きになってしまうなど出産前後の生活は変わってしまいます。
髪質改善で取り組むこと
まず、髪質が変わってきたということに敏感になることが必要です。
髪質が変わってきたことをそのままにせず、ケアすることで改善を目指すことは可能でしょう。
まずは、頭皮環境を整えるためにブラッシングや丁寧なシャンプーに心掛け、頭皮マッサージやドライヤー方法の見直しなどご自身のケアだけでできるところは多くあります。
自分に何が足りていないのか、何が必要なのかを把握しケアしていきましょう。
分娩後脱毛症とは?
分娩後脱毛症とは、産後の女性に見られる薄毛の症状であって、産後脱毛ともいわれることがあります。
すべての女性に現れるわけではありませんが、女性は妊娠8~9カ月頃に黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌がピークに達します。その後は徐々に減少していき、産後は一気に黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が低下します。
女性の体内のホルモンは多すぎても少なすぎても良くありません。産後前にピークを迎え、そこから急激に減少することでホルモンバランスが乱れ抜け毛が増えたり、髪が薄くなったり感じます。
分娩後脱毛症の治療は?
分娩後脱毛症が発症しやすいのが、出産後2~3カ月の間になられる方が多くなっています。
発症後は半年から1年ほど続くことがあります。薄毛の原因がこの場合、治療を行わずとも自然に治ることが多いです。薄毛の理由が出産でない場合は、薄毛の進行も考えられるため出産後から1年以上経過しても改善されない方は当クリニックもしくは、専門の機関へ相談するようにしましょう。
出産後の薄毛を早く改善させるためには?
分娩後脱毛症は、出産後の女性ホルモンのバランスが乱れることが原因ではありますが、その他にも出産後は生活環境が変わったり、食生活が不規則になったり、睡眠不足になったり、ストレスが溜まったり、とさまざまな要因も考えられます。
体内ホルモンを整えるためには、睡眠時間の確保は必要です。髪の成長には女性ホルモンだけでなく、成長ホルモンも必要になります。成長ホルモンの分泌量が盛んになる時間が22~2時のゴールデンタイムの間になります。
睡眠時間を確保するためにも旦那さんと協力して育児を行うようにしましょう。
栄養面での髪質改善
育児をされている方に多いのが、育児疲れで自分の食べるものや旦那さんの食事の内容が簡素化されてしまうことです。
やはり髪への栄養は忙しくともしっかり摂りたいものです。
髪の成分でもあるタンパク質を意識して食べること、体の調子を整えてくれるビタミン類やミネラルを豊富に含んだ食材を使用するようにすること、大豆類に多く含まれるイソフラボンも女性ホルモンに似た働きがあるため積極的に摂りたいものです。
食事をおろそかにしないためにも、育児や家事の分担が必要になってくるでしょう。
すべてを女性がこなすとなるととても大変です。しっかりとパートナーと相談し、育児や家事で無理をしないようにしましょう。
また出産後の抜け毛が増え1年以上続いている方は脱毛の原因がほかにある可能性があるため、そういった方は当クリニックを含めた薄毛の専門機関へ相談するようにしましょう。
妊娠中の薄毛ケア
女性が妊娠している際に、控えるべきことは多いです。
タバコ、飲酒、薬、食生活などと同様に過度なヘアーケアは控えるべきでしょう。
シャンプーやトリートメントは問題ありませんが、ものによってはアレルギー反応を起こしやすかったり、皮膚炎になってしまったりすることがありますので、妊娠中に新しいシャンプーやトリートメントに替える方は注意しましょう。
育毛剤なども多くのものは妊娠中の方は使用できないとなります。
皮膚炎やアレルギー反応が出てしまった場合、それらの薬が胎児に影響を及ぼすものだとそれを使用せずに治すことになりますので、期間がかかったり身体的につらいことににもつながるでしょう。
気をつけたいカラー剤
妊娠中に気をつけたいのが、カラー剤や白髪染めに含まれる成分です。
カラー剤や白髪染めに含まれる成分が頭皮から浸透していく経皮投与であっても、今現在のところ発がん性や胎児に影響があるとの報告はありません。
しかし、カラー剤や白髪染めに含まれるジアミン系は胎児ではなく、母親の体に異変を招く可能性はあります。
ジアミン系のアレルギー反応は今までどうもなくとも急に症状が現れるようになるため注意が必要です。
妊娠中や出産後に控えたいこと
カラー剤や白髪染めは今のところ、発がん性や奇形児などの報告はありませんが、妊娠中以外にも体調不良の際、生理中、病気を患っている場合などは使用を控えるべきといった記載があります。
やはり免疫力が落ちている際は、アレルギー反応の可能性のあるものはできるかぎり控えた方が良いです。
生活のリズムやホルモンバランスの乱れで白髪が増えても、使用する際は体調のことを考えて行いましょう。
妊娠中の白髪が気になる場合
妊娠中の生活になると白髪が増えてどうしても気になるという方は、ジアミン系を成分に含んでいないものの使用するようにしましょう。
万が一母親の体や頭皮に異常が出ると大変です。
普段通われている美容師さんに相談されて、ジアミンの含んでいない薬剤に替えてもらうか、ヘナやヘアマニュキュアで済ませるようにしましょう。
特に肌が敏感になっていたり、体に疲労が溜まりやすかったり、免疫が低下している妊娠中はカラーや白髪染めの回数を減らすことや、低刺激のものに替えるようにしましょう。
出産後のケア
出産後であれば、カラーや白髪染めも大丈夫です。
しかし、出産後は抜け毛や薄毛になりやすくこの時期のカラー剤や白髪染めは頭皮へのさらなる負担になります。
出産後は女性ホルモンの分泌が乱れるため、薄毛になりやすくなっています。
そういった頭皮の不安定な時期に、刺激の強いカラー剤や白髪染めをしようすることで、薄毛が進行してしまう可能性があります。
出産後だからと安心せずに、抜け毛や薄毛が気にならなくなってからカラー剤や白髪染めを使用する方が良いでしょう。